2013年 12月 09日
やっぱりノンクラスプ義歯は嫌いだ |
先週のことですが、今までテレスコープ義歯の作製をお願いしていた歯科技工士さんが来院され、「今後コーヌスクローネの作製が行えなくなりました」と報告にみえられました。片道2時間かけての来院だったので、イヤな感はありましたが、よくよく話を聞いてみると、
・会社の方針で今後は「ノンクラスプ義歯」をメインに押していくこと
・コーヌスを作製できる若手技工士の育成がむずかしくなったこと
・自身の立場が中間管理職的な年齢なのでコーヌス作製に時間が割けないことが理由であることわかってきました。
同世代の彼とは卒後30年近くのおつきあいで、人間的にも申し分ないリスペクトしている人ですが、大手のラボ勤務なので立場を考えればこちらも我ままはいえず、承諾ということになりました。
さて…しかし大変困ったことになりました。同業の方は状況がご理解できると思いますが、テレスコープ義歯はある意味「高度な間接法」に習熟しないとつくることができません。また、診療室とラボの阿吽の呼吸も重要です。幸いに後を引き継いでくれるベテランの歯科技工士さんが見つかったのでよかったものの、それでもこれから細かいステップを相互で確認していく作業は大変な労力になりそうです。
ただ、今回の件でクリアになってきたのは、
・欠損補綴、特にパーシャルデンチャーの進歩はここ数年で明らかに逆行していること。1980年代に決着がついた「緩圧VSリジッド」」が、ノンクラスプなどというまがい物の出現やインプラントの台頭によって混乱を招いていること。
・若い歯科技工士さんへの匠の技術伝承が難しい歯科医療業界の環境になってきていること
・歯科医側も深い思考なしに、安易なノンクラスプを受け入れてしまっていること
以上ですが、いずれにしても安易に解決できない、由々しき問題であると思うのは私ばかりではありますまい。さて皆さん、声高らかに御唱和を、「ノンクラスプ義歯なんて、イラナイゾ〜」

・会社の方針で今後は「ノンクラスプ義歯」をメインに押していくこと
・コーヌスを作製できる若手技工士の育成がむずかしくなったこと
・自身の立場が中間管理職的な年齢なのでコーヌス作製に時間が割けないことが理由であることわかってきました。
同世代の彼とは卒後30年近くのおつきあいで、人間的にも申し分ないリスペクトしている人ですが、大手のラボ勤務なので立場を考えればこちらも我ままはいえず、承諾ということになりました。
さて…しかし大変困ったことになりました。同業の方は状況がご理解できると思いますが、テレスコープ義歯はある意味「高度な間接法」に習熟しないとつくることができません。また、診療室とラボの阿吽の呼吸も重要です。幸いに後を引き継いでくれるベテランの歯科技工士さんが見つかったのでよかったものの、それでもこれから細かいステップを相互で確認していく作業は大変な労力になりそうです。
ただ、今回の件でクリアになってきたのは、
・欠損補綴、特にパーシャルデンチャーの進歩はここ数年で明らかに逆行していること。1980年代に決着がついた「緩圧VSリジッド」」が、ノンクラスプなどというまがい物の出現やインプラントの台頭によって混乱を招いていること。
・若い歯科技工士さんへの匠の技術伝承が難しい歯科医療業界の環境になってきていること
・歯科医側も深い思考なしに、安易なノンクラスプを受け入れてしまっていること
以上ですが、いずれにしても安易に解決できない、由々しき問題であると思うのは私ばかりではありますまい。さて皆さん、声高らかに御唱和を、「ノンクラスプ義歯なんて、イラナイゾ〜」

by matsudas1933
| 2013-12-09 19:09
| 歯科臨床